月神の研究 （Ｉｎ　ｓｅａｒｃｈ　ｏｆ　Ｍｏｏｎ　Ｇｏｄ）９９

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片目のジャック

その２６

　　 　 ○次の時代へ

　 「炎で書いた物語」を通読された方は　 を（炎の王）と読んで 最終章８＜メソポタミア幻視行＞ で詳述したエンキ一族との関連を思われたことだろう。

　そのエンキの息子、マルデク（ニギハヤヒ）は九の数を隠し持っていて文字通り神紋にすれば左のようになるが実際には隠されているため目にすることがない。 アメリカに押しつけられたように思われている憲法九条も実はかれの精神そのものなのである。

　そんな平和憲法の下６０年を経て大和民族は技術的には携帯電話、テレビ、ＧＰＳ、ＤＶＤ、パソコン、その他のＩＴ技術などなど、 十種神宝（とくさのかんだから）の水準に肉迫するところまで進んできた。

　しかしながら天の鳥船（磐船）や十種神宝を自由に使いこなしていた古代のあの頃にはまだ及ばない。

　われわれにはなにが足りずなにが求められているのだろう。 自立自立と内なる声が囁くが自立すればどうなるというのか。 自らの力で立てば次元が変わるのだ。

　生き物は生まれてきて点、すなわち一次元を自分の世界と定める。 だれかの助けがなければ移動できず一次元のままである。

　そして成長して這うことをおぼえ線上移動を始めたとき、世界の広さを知り二次元の住民となる。 そしてさらに成長を続けついに自ら立ち上がったとき立体空間を手に入れ三次元の世界を知る。

　このように成長に従って次元階層をあがってゆくのだ。 　人類は自立してもうひとつ上の次元に上らねばならない。

　　そのとき、天の鳥船も十種神宝も自由に使いこなせるのである。 それはつぎの次元の乗り物であり機器であるのだから。

　そうはいってもどのようにすれば上れるのだろう。

　片目のジャックが心の中でニヤリとして「スフインクス」とヒントを口にする。

　ギリシャのオイディプス伝説のスフインクスは 「朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足で歩くものはなにか」と旅人に問いかけ、 答えられないと旅人を食い殺していたが、 オイディプスが「答えは人間で朝は四つ這い、昼は自立した大人、夜は杖つく老人を示唆している」と正解すると死んでしまった。

　今まではそれで良かったがこの三本足を老人が杖をつく姿と捉えるのは古い封印された答えである。 ここに次元上昇の鍵があるのだ。この封印を解いてしまおう。

　人類の自立に必要なのは肉体の二本の脚ともう一本の精神的な脚である。 その答えは「愛し」。その三本の脚で自立してつぎの次元へと進むのだ。

（つづく）

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