『ヨブ記』梗概 　　　　
　 時空捜査局 事件簿
Time-Space Investigation Office Case Files
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　月神の研究
（Ｉｎ　ｓｅａｒｃｈ　ｏｆ　Ｍｏｏｎ　Ｇｏｄ）７６



　 　片目のジャック
その４


　　 　 ○『ヨブ記』梗概

　旧訳聖書の『ヨブ記』とは４２章からなる文学書で「ヨブ」という名の義人に 与えられた苦難の物語である。 あらすじを以下に簡単に記しておこう。

　神はウツの国のヨブという素晴らしい人に目をかけていてかれが神を信仰し正しい人であることをサタンに自慢した。 サタンはそれをただ恵まれているからだといって全てを奪われてもまだヨブはなお神を信仰するかと疑う。 神はもちろん大丈夫といって賭が成立する。 それでヨブの所有物すべてが奪われ子供たちも亡くなる。

　それでもヨブは信仰を保ち続けたので今度は肉体に対して苦難を与えてもヨブが信仰を保ち続けるかという第二の賭が成立する。 肉体的にボロボロになったヨブのところへ噂を聞きつけた友人たちがやってきて同情して慰めようとするのだが 結局はかれらはヨブになんらかのの非があったからこんなことになったのだとして悔い改めを強いて責めることになってしまう。 ヨブはそんな状態でもけっして自分に非があったと認めることがなかった。
そして最後に神が現れヨブは以前以上の幸福を与えられ満ち足りた人生を送る。


　ざっと要約するとこんな内容なのだが有名なところでは ゲーテの『ファウスト』やドストエフスキーの『カラマゾフの兄弟』など、有名無名、多くの文学のテーマ になっている。

　ヨブが本人にも友にも意味のわからない悲惨な辛苦に会うところが苦難の中にある人々の心をとらえ人生の不可思議さに思いを馳せさせる。 　偉大な文学の常で読み手によって投げかける問題は実に様々である。

　（つづく）

　

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