時空捜査局
事件簿
Time-Space Investigation Office Case Files
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月神の研究
（Ｉｎ ｓｅａｒｃｈ ｏｆ Ｍｏｏｎ Ｇｏｄ）３７
琥珀
の主
饒速日尊鎮魂道中記
その５
○そして金縛り
翌日の夜、疲れて十時半過ぎに二階に寝に上がった妻が突然降りてきた。 まだ十一時だった。
生まれて初めて金縛りにあったという。 だれかの髪の毛や体が触れて、あまりにも生々しい感覚にわたしだと思ってわたしの名を呼んで払いのけようとしても体が動かない。 右の方にもだれかがいる。足元の掛け布団のところが熱くなった。たまらなくなって必死に起きて下に駆け下りてきたのだ。
しばらく脅えて二階に戻りたがらない。布団を下ろしてきてここで寝るといったり わたしに二階に上がって寝てくれという。
あれだけ神霊スポットをまわったのだからその程度のことは起こって不思議はない。 二階になにかがいるのではない。 きみ自身についてきていることを知らせているのだと諭した。
こんなに脅える妻を見るのは初めてだった。 色々な番組でレム睡眠などと組み合わせた金縛りの科学的解釈を見てきたがそんなものと まったく違うことがよくわかっただろう。
金縛りなどを恐れるよりこれからなにが起こるかが問題なのだった。
そう、あの慌ただしい旅行によって始まる、これからが…。
（つづく）
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