＜戦士（さむらい）達は今＞（その34）
炎で書いた物語」最終章（その8の34の2）
＜時空捜査局、異聞『ザ・カース』鳩の女王の涙２＞
「はい、ではこれをどうぞ。
初期王朝時代から新王国時代までの年表です」
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西暦 首都 王名
初期王朝時代
第１王朝 BC3100-2890 メンフィス、 ナルメル（メネス）
チニス アハ
〃 ジェル
〃 ジェト（ワジ）
〃 セメルケト
第２王朝 BC2890-2686 〃 ラネブ
〃 ペリブセン
〃 カセケムイ
古王国時代
第３王朝 BC2686-2613 メンフィス サナクト
〃 ジョセル
〃 セケムケト
〃 カーベ
〃 フニ
第４王朝 BC2613-2494 〃 スネフル
〃 クフ
〃 ダドフラー
〃 カフラー
〃 メンカウラー
〃 シェプセスカフ
〃 ダドフラー
第５王朝 BC2494-2345 〃 ウセルカフ
〃 サフラー
〃 ネフェリルカラー
〃 ラーネフェルエフ
〃 ネウセルラー
〃 メンカーウホル
〃 イセシ
〃 ウナス
第６王朝 BC2345-2181 〃 テティ
〃 ウセルカラ
〃 ペピ１世
〃 メンエルラー
〃 ペピ２世
第１中間期
第７王朝 BC2181-2173 不定 ネフェルカーラー 各勢力混沌
第８王朝 BC2173-2160 〃 イビ
第９王朝 BC2160-2140 〃 イティ
第１０王朝 BC2140-2133 〃 クゥイ
〃 メリカラー
中王国時代
第１１王朝 BC2133-1991 テーベ（ルクソール）メントゥホテプ１世
〃 インテフ１世
〃 インテフ２世
〃 インテフ３世
〃 メントゥホテプ２世
〃 メントゥホテプ３世
〃 メントゥホテプ４世
第１２王朝 BC1991-1786 イトウジャウイ アメンエメス１世
〃 センウスレト１世
〃 アメンエメス２世
〃 センウスレト２世
〃 センウスレト３世
〃 アメンエメス３世
〃 アメンエメス３世
〃 アメンエメス４世
〃 アメンエメス４世
〃 ソベクネフェル
第２中間期
第１３王朝 BC1786-1633 不定 ケンジェル 異民族の侵入開始
〃 アメニケマウ
第１４王朝 BC1786-1633 〃 不知
第１５王朝 BC1674-1567 〃 ヒクソス統治下
第１６王朝 BC1674-1567 〃 ヒクソス時代
第１７王朝 BC1650-1567 〃 セクエンエンラ
〃 カメス
新王国時代
第１８王朝 BC1567-1320 テーベ イアフメス１世
〃 アメンホテプ１世
〃 トトメス１世
〃 トトメス２世
〃 ハトシェプスト女王
〃 トトメス３世
〃 アメンホテプ２世
〃 トトメス４世
〃 アメンホテプ３世
アケタテン アメンホテプ４世（アケナテン）
〃 スメンクカラー
〃 ツタンカーメン
テーベ アイ
〃 ホレムヘブ
第１９王朝 BC1320-1200 〃 ラムセス１世
〃 セティ１世
〃 ラムセス２世
〃 メルエンプタハ
〃 アメンメス
〃 セティ２世
第２０王朝 BC1200-1085 〃 ラムセス３世
〃 ラムセス４世
〃 ラムセス５世
〃 ラムセス６世
〃 ラムセス７世
〃 ラムセス８世
〃 ラムセス９世
〃 ラムセス１０世
〃 ラムセス１１世
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「 なるほどね、これでも一応歴史の流れはわかるけれど
これだけでは漠然とし過ぎていて
問題のハトシェプストやツタンカーメンの関係が浮かび上がって
こないからその頃の王位継承の資料を見せてくれないか」
「はい、ではこちらをご覧ください。新王国時代だけの系図です。
Ａｈｍｏｓｅ（イアフメスまたはアハメスと読む）一世から始めて
男性は♂、女性は♀、王位に就いた者は＊のマークをつけてあります。
正当な血統は＝＝でつなぎ、側室などの傍流は−−でつないでありますが
血はどんどん入り混じって＝−となってゆきます。」
戸浦はそう言いながら系図ファイルをクリックして画面上に写した。
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［エジプト新王国時代、第十八王朝（紀元前１５７０〜１２９３）系図］
♂
＊ ♀
イ＝＝＋＝＝ア
ア ‖ ハ
フ ‖ メ
メ ‖ ス
ス ‖ ネ
一 ‖ フ
世 ‖ ェ
‖ ル
♂ タ
＊ リ
ア ♀
メ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＋−−−セ
ン ‖ ン
ホ ‖ セ
テ ｜ ネ
プ ‖ ブ
一 ｜
世 ‖
♂
♀ ＊ ♀
ム ト イ
ト−−＋−−＝ト＝＝＋＝＝ア
ネ ‖ メ ‖ フ
フ ‖ ス ‖ メ
ェ ｜ 一 ‖ ス
ル ｜ 世 ‖
ト ♂ ♀
＊ ＊
♀ ト ハ
イ−−−＋＝−＝ト＝＝＋＝＝＝ト
シ ｜ メ ‖ シ
ス ‖ ス ‖ ェ
｜ 二 ‖ プ
｜ 世 ‖ ス
♂ ‖ ト
＊ ♀
ト ネ
ト−−＝＋＝＝フ
メ ‖ ェ
ス ｜ ル
三 ‖ ゥ
世 ‖ ラ
♂ ｜
＊
タ ア
ア−−＋−−＝メ
ア ‖ ン
｜ ホ
｜ テ
｜ プ
｜ 二
｜ 世
♂
＊ ミタンニ王国王女♀
ト （ヌートエムィア）ア
ト＝−−−−＋−−−−−ル
メ ‖ タ
ス ｜ タ
四 ｜ マ
世 ｜
ミタンニ系 ♂
♀ ＊
テ ア
ィ−−＋−−−−＋−−−＋−−＝メ
イ ‖ ‖ ‖ ン
｜ ｜ ｜ ホ
｜ ｜ ｜ テ
｜ ｜ ｜ プ
｜ ｜ ｜ 三
｜ ｜ ｜ 世
｜ ｜ ♂
｜ ｜ ＊ミタンニ王ドゥスラッタの王女♀
｜ ｜ ア （ミタンニ名タドゥケパ）ネ
｜ ｜ メ＝−−−−−＋−＋−−−−−フ
｜ ｜ ン ‖ ‖ ェ
｜ ｜ ホ ｜ ｜ ル
｜ ｜ テ ｜ ｜ テ
｜ ｜ プ ｜ ｜ ィ
｜ ｜ 四 ｜ ｜ テ
｜ ｜ 世 ｜ ｜ ィ
｜ ｜ ｜ ｜
｜ ♂ ｜ ｜
｜ ＊ ♀ ｜
｜ ス メ ｜
｜ メ＝＝−＝＝＝−＝−＝リ ｜
｜ ン ト ｜
｜ ク ア ｜
♂ カ テ ｜ミタンニ系ティイの兄
＊ ラ ン ♀ ♂
ツ ｜ ア ＊
タ＝＝＝＝＝＝＝＝＝−＝＝＝＝＝＝＝ン＝−−−−−−−−ア
ン ク イ
カ エ
｜ ス
メ エ
ン ン
ア
メ
ン
外征軍司令官♂
＊
ホ ♀
ル−−−−ム（ネフェルティティの妹？）
エ ト
ム ネ
ヘ ジ
ブ ェ
メ
ト
○****************************************************************○
「ご覧のようにハトシェプストはトトメス（Ｔｕｔｈｍｏｓｉｓ）一世と
イアフメスの娘で、父王とその側室ムトネフェルトの子、トトメス二世と
結婚し、その夫が王位に就いて、かの女は病弱の夫の治世を助けていたの
ですが、夫が三十台で在位１４年で死んだ後、自分の娘ネフェルゥラー
（Ｎｅｆｅｒｕｒｅ）をまだ十才のトトメス三世と結婚させて義理の母として
二年間、摂政政治をして、その後自らがファラオとなりました。そしてその
後、
二十年間、君臨しました」
「 ちょっと、待ってくれよ。そんなややこしいことを簡単そうに
説明されてもなにがなにやらわからないから、この系図、
プリントアウトしてくれないか。
じっくり見て検討しないと各王や王妃の関係が見えてこないから。
この系図の中に重大な秘密が隠れていることは感じるが、注意しないと
せっかくの系図が意味のないただの人名の羅列だけに見えてくる」
白鳥は、名前は白鳥なのに三歩歩けば、やろうとしていたことを忘れる
鶏頭局長と噂されていたが、実際目にしていることを
分析することにかけては自信があった。
「『黒い陽継ぎ』の秘密はこの系図のどこに隠れているんだろうか。
ハトシェプストの前後でなにかがあったのだろうか。
子孫のツタンカーメンまでも思ったほど離れていないんだね。
どうしてかの女が時空の闇に封じられなければならなかったのかが問題だ。
このあたりに注意して正史の裏を読みとってゆこう。」
戸浦がプリントした系図をかれは真剣に見つめた。
（つづく）
♪♪音(SOUND)♪♪
Ｐ．Ｓ．
新しくＲＯＭされて、この物語の筋がたどれない方は
これまでの『炎で書いた物語』のバックナンバーが
URL：http://member.nifty.ne.jp/fumio/
のホームページに掲載してありますのでご参照ください。
