○鏡餅の世界

　　
　 　黄金太陽の構造は、上の正四角錐が白で天から地上世界を表し、 下の方は黄泉の色なので赤なのである。日本でこの色形を象徴的に示しているのが巫女の衣裳なのだがそれはなかなか気付かれることがない。




　この黄金太陽に示唆される世界をわれわれは伝統的な正月の鏡餅にもっと端的に見ることができる。 鏡餅の語源は餅が鏡に似ているからということにされているが実はこれは合わせ鏡の世界を表す餅ということである。

　地方によって飾り方が少しずつ異なっても太陽の姿の橙（だいだい）を頂上にいただき、 四手（しで）の裏と表は紅白で、 裏白（うらじろ）という植物 の名前。 お供え物をのせる四方を「紅」でふちどられた四方紅（しほうべに） などにこの世とあの世の重層的世界の構造をみることができるのである。



　この黄金太陽の重層的世界は回転するのだが 回転するとはいっても上下一緒に同方向に回る訳ではない。 それでは上下の世界が別々なままでなにも起こらないまま回り続けるだけのただの巨大な宇宙ゴマに過ぎない。

　この上のピラミッド（天空、地上世界）は左回転し、
これは火垂（ひだり）の回転なので、前に述べたように上から見て記号化すれば になる。


　



　下のピラミッド（海、地下世界）は逆方向に回転する。

こちらが佛教の記号である。




　これらの上下のピラミッドが互いに逆回転することが、意味のない回転正八面体を活性化し黄金太陽たらしめるのである。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）

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