時空捜査局
事件簿
Time-Space Investigation Office Case Files
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月神の研究
(In search of Moon God)40
琥珀
の主
饒速日尊鎮魂道中記
その8
○リモコンがこわれちゃった
テレビのリモコンがなぜか効かなくなった。 蓋をとると乾電池のあたりが濡れている。 水分を全部拭いて熱風で乾かして乾電池を取り替えても駄目だった。 基盤が濡れるような構造になっていないのに使えない。 仕方なく、電器店に電話して新品を取り寄せてもらった。
入ったという連絡を受けて取りに行くとき道を間違えた。 駅のそばでわかりやすいはずの電器店なのだが 反対方向の丘を登ってしまった。 探している内に妻が「こんなところに神社がある」というので ちらっと見ると諏訪神社だった。 結局、道を間違えたことに気付いて家に一旦帰ってから電器店に電話して場所を確認して新しいリモコンを取りに行った。
そのあとでなんか変だと思った。あの諏訪神社を見せるためにだれかが道を間違わせたのではないかと勘ぐった。 時空捜査局としてはこの一風変わった出動依頼をも受けねばならない。
このクライアントは水を使って色々やってくる。 数えれば、あの旅行中に船の浴室から水が溢れてきたこと、宇佐神宮についたとき、白い靄に包まれたこと、ホテルの部屋が湿気だらけになったこと、 そして今回、リモコンが濡れてこわれたこと。自分が水に関わりがあることを報せているのだろうか。
九月10日火曜日の午前中に出動して あの諏訪神社に向かった。 ところがあのあたりと記憶しているところに見あたらない。 ぐるぐる丘陵をまわって仕方なく一旦帰宅した。 探してないときに見つかって探すと見つからなくなる。 不思議な封印が貼ってあるらしい。
どんな封印が貼ってあるというのだろう。 地図で場所を確認して午後にもう一度出かけた。
(つづく)
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